最近のNHK、特にラジオは、心の時代として、聞く人に反省を促すような体験談や、
精神文化の大事なことを感じさせるものが多いようですが、番組全体を見ると、何か金々という面があるのではないでしょうか。
神聖な筈のスポーツ、即ち野球、ゴルフ、ボクシング等の世界を考えると、元々外国でのスポーツの在り方は金に関連したものが多いのです。
清新な若人、学生が、プロ野球に入る時の契約金を、あれ程テレビでニュースにする必要があるのでしょうか。
もし教育界もこれらの実態を奨励するなら、他のスポーツでも何らかの方法で、闇の取引があっても不思議ではありません。
バブル経済の底にあったものは、賭博根性だったからで、いくら口先で経済に重要なことを言って、
立派な経済協力の如き感じを与えても、純な経済行為ばかりとは言えません。我が国の平均株価は、株式の種類にもよりますが、
現在二万円台を切っても、平均して六十倍の高値に相当して、他の先進国では最高値でも十五倍乃至二十倍であると言われていることを知ると、
投機事業即ちバクチと同じ考えと言われてもやむを得ないでしょう。これでは、金を持てば持つ程、更に金が欲しくなり、
投機に走り、社会のために心から布施する如き精神は失われます。このような人は家庭の中でも所有欲が強く、夫婦間、親子、
兄弟間でも、金故に暗闘するのが透視される訳です。今度のバブル地獄があって、昨日の長者が一夜にして没落したことは、
仏教の教える諸行無常の警告の通りです。金がいくらあっても足らないと思うことこそ餓鬼道の苦しみの道です。
自殺者も増えている筈です。この金故の修羅の世界が暴力団の財力を数兆円にしたということが、
金の欲しい哀れな政治家に血縁されて、
政界の犯罪源となりました。金の誘惑に引かれて、あたら一生の栄誉を無駄にすることになるのです。
それのみでなく、国民に大きな不公平を抱かせる行政となるのは明白なことです。
今こそ、教育界の大改革をして、小悪から大悪に及ぶ原因を考慮して、最小限の悪の防止法を強化する必要があります。
法律や刑法を厳しくすることは勿論必要ですが、それと共に、その根本にある悪い行為、
迷う心を絶滅する程の心構えを教育によって強化する内容でなければなりません。
その意味で、その教育の根底には、仏教の教えに立つところの迷いと妄執を消す忍耐を養う方法を取らねばなりません。
政界では、国会議員の止悪のための政治倫理の向上を必要として、議員議会法の改革が論議されていますが、
今頃ナンセンスもいいところです。政治倫理が立法化されて救われるような国家ではありません。
まるで新法が通れば国が皆よくなるように考えているのは議員だけでしょう。
確かに、ないよりはあった方が一応は効力があるようですが、国会議員は特殊な人間ではないのです。
何故に選挙民なる国民全体の教育の中味の大改正が必要であることに気付かないのでしょうか。
気付いてもやらないのでしょうか。立派な国民が生れると、愛国心、親子兄弟の自然愛が強化され、
倫理道徳が普遍的な真理に立つべきことが知られ、それによって、唯物社会主義が育たないと思う人達がいるからでしょうか。
革命が成功する地盤は、国が乱れ、人情が薄れ、事に秩序がなくなり、利己的な我欲が育つことにあります。
今日 四月十六日の新聞によると、昭和五十八年以来の週刊誌「朝日ジャーナル」が経営困難で遂に休刊となるそうですが、
このことからもう分かるでしょう。
人間が落着き、静慮を得れば人格が向上します。これでは困るのが社会主義です。
政治への不平不満が盛んになるのが革命精神の湧く機会だからです。
今、日本の経済が世界一になったのは、明治、大正人の仏教精神があったからです。
戦争責任の追及を連合国に任せて、営々とよく働き忍耐し、勤勉に創意工夫を重ねて、
廃土の中、敗戦の悪条件から立ち直ったのです。列強の野心を知りつつ、密かに最小限の軍備をしても、
これを復讐に用いることなく、愛国心さえも不要として、平和を尊重し、殺生を厳しく禁止してきたのであります。
ところが、日本人自体が予想もしなかった経済の発展は、好運に恵まれたものでした。
ベトナム戦争は、キリスト教徒が現地国民を蔑視し、異教徒（仏教徒）なるが故に不平等な扱いをしたが、
それが共産党の利用するところになったことを知るべきです。ベトナム人は純真さを共産党に悪用されたのです。
アメリカと戦って勝ったけれども、戦禍のために苦しんで、何か得をしたのでしょうか。国民は国外に脱出し、
同一国民が別々になる、中にはこれが永別となった人も多いことです。残念なことは、
仏教徒が世界知識の不足と唯物主義に立った共産主義の恐ろしさを知らないために、ホーチミンを過信したことです。
ベトナムの若き僧侶は長老の言をしりぞけてホーチミンを信じて大変な犠牲を払ったが、
悉く嘘であったことを知った時は、時既に遅かったのです。仏教の心を失ったのです。
さて、外国のことはそれとして、問題は、世界のために大きな使命のある日本が、
金の荷を負って倒れなければ幸いだということであります。金に狂った日本は態度を改め、
心の時代を本当に進めるべきです。憲法改正には、教育と宗教の問題を強く考えたいものです。
世界に誇る文化があっても、国民精神を宇宙生命の真理に照らして、その中に生きる人間の形成に努めなければ、
我々は死んでも死にきれず、先祖に、いや諸仏に申訳ないことです。
私は早くから、このような時代が来て心を呼んでも容易に戻れないことを予想して、
正しい仏教を復興しなければならないことを切実に感じて、密門会を大切にして、人数よりも質を尊重して来たのです。
今や新興宗教の実態が暴露されつつあります。殊に○○○の悪が巨大化することを惧れて、
『密教宝庫を開く』を世に出して警告しましたが、仏教の常識のない民衆は、甘い御利益信仰にドップリ漬かって、
私の正純密教書には目もくれません。
これは、外道に協力している一部の高野山の高僧方の罪が働いたことも大きな原因なのでしょう。
でも正法は少しも汚されません。私たちの同行方は益々練磨して来ました。
その証拠に昭和大仏が成り、この度は金堂の建物が九分通り成って、
目下内陣の須弥壇や御本尊の五如来仏像が彫刻されつつあります。残念なことに、用材の乾燥が未だ足らないために遅れているのです。
今、敷地の整備に入っておりますが、土木工事費として存外多額を要するので、浄財を仰ぐ心切なるものがあります。
九月十二日の前夜祭から十五日の結願法要まで大車輪というのが偽らざるところです。
献金の御心があっても、いまだ実行してない方は、自分の未来のみでなく、御家族に御仏の光を及ぼすように、
或はまた今日の自分を育て教えられ、故人となった祖父母、両親、恩師の御恩報じのために、回向されることを切に期待しております。
難病を救われた方々は。健康の有難さをしみじみと感じておられることと思います。無理のない御献金と供養料を奮発して下さい。
それに、参詣団参が一日も早く満員になるように、早く参加を申込まれたいものです。
北海道迄足を伸ばしたい方は、東京本部へ直接お申込み下さることをお勧めします。