五月の例会の法話後に、男子部と女子部と席を別にして、自由な意見と要望を語る場を設けました。
いつも私がお話をした後、何も質問がないということで終了したのでは、折角の信仰団体の存在価値が
なく、会員同士の力で新会員を増やすことも少ないので、今少し理解のある会員に、一人でも二人でも
導きをしてもらいたいものと思っておりましたから、私の居らない中で自由に話して貰いたいと思った
訳です。
録音の有難さをしみじみ感じました。いろいろ自由活発な意見が出まして、会長としての取るべき
方途を教えられました。
先ず第一回の世話人会は三月の雪の降った日に行われました。関東地方から七十余名を数える始めて
の会合で、お互いに名前さえ知らない方ばかりでしたが、左のような事が決りました。
①会長の著書を、自分の近隣の書店に置いて貰う運動を展開する。
②自分の知人にして宗教に関心のある人に施本する。貸本する。
③病気で悩んでいる人に加持を教える。
④邪教に迷っている人に、感情に逆らわない方法で、自然に正信に導く努力する。
⑤近くに会員があれば、二人でも三人でも勤行をして、会長の著書に従って、正しく進むことを考える。
⑥会員は、大日如来像と諸天善神に、読経と真言行とを供養すると共に、仏前に感謝の心を現わす献金箱
を置くこと。（これは任意であって強制ではないから、会側として供養箱を用意する。）
⑦本部の行事後に毎月集会を開き、互いに会を発展させるために意見を述べ、信仰上の反省を語る場
にしたい。又講演会にも誘い合う。
⑧真言禅の奨励。
右が世話人さん方からの意見であります。真に尊い御意見でありますから、早速①②③④を実行に移す
こととしましたが、本も売れて、その縁で会員も増えつつあります。また⑤は上田市の○○さんの方が
始めておられ、都内でも○○さんが行っておられます。
⑦の講演会については、岡山、名古屋、仙台等よく御協力下さって、始めての地で、しかも知名度の
ない私の講演会としては盛会でした。東京の高野山の全寺院に動員をかけても、高野山大学学長の講演に、
五百名しか入らないのです。密門会会員が最も多く参加してもそのような状態ですから、それに比べる
と密門会単独の後援会で、三四百名もの聴衆があったのは大変なことです。
⑥については、メーカーの制作による供養金箱がやっと六月十八日に到着いたしました。皆様の
お手元に届くのはもう暫くしてからです。（希望者は遠慮なく申込んで下さい。無料です。）
⑧の真言禅は現在日曜度に行ってはいるのです。まだ参加者に日時を知らせてはいませんが、
将来第一日曜に限らず土曜でも他の日曜日でも行うことにしたいと思っています。
次に、六月二日の法話の参集者の中に世話人も居られたようで、その時のお話しを録音で知りました
ので、それにつき、お答えいたします。先ず参加した人で誰かが口火を切り信仰座談会をはじめること
に決定しました。毎月第一日曜には必ずお話をすることとなりました。これは午前中からでも、その時
その時に集まったグループで始めてよく、更に法話後の集会で、座長を定めるとか、信仰体験を発表
するなど、適宜行って下さい。新入会員の方の紹介とか、その経過の報告をして頂いても結構です。
それから、男性方のご意見について、参考迄に申上げます。なぜ会員を増やすのかという質問があり
ましたが、私の方では、仏教を伝えるということ、特に密教という宗派根性で広めるのではなく、
悩む方々を救うには、密門会に入会して、ああよかった、有難いことだと思い、更に進んで更に理解
を得たいという心が生まれて始めて新会員を紹介できるのだと考えています。自分で入会して、
本を読み、法話を聞き、実修までするようになって、それでも感激もなく、意義も感じない人は、
会員増加運動はできないのが当然です。他の信仰宗教は、理解も感激もなく、体験もないのに、
会員を集め、金集めさせるのです。奉仕とか梵行とかの美辞で使役するのですが、私はこれを真似よ
と言うのではありません。今迄信仰を求めながらも、疑問だらけだったり、信じたつもりが迷信
だったりして、解脱とは反対の心境を強要され、暫くして醒めて脱会して、本会の正しさ、
しい仏教を感じて、始めて他の悩む人に知らせてあげようとするのが真の化他の行動です。
それが世話人の無理のない、五つの奉仕行なのです。決して、何人集めなければ功徳にならないという
ものではなく、自分の感激と、報恩行として、また社会に対しては勿論のこと、家庭と、親しい人の中に、
仏教の正しい理解を得させたいという心さえあれば、功徳行は自然に行われるのです。
会員の名簿がないとか、横の連絡がないとおっしゃる方が多いのですが、本会では、人数の勢いで
折伏する如き無理は禁じています。信仰は一人一人の感激によって、その有難さ、救われた喜びを、
他の迷いに悩む人があれば、その人に教えてあげるだけなのです。迷信邪教に踊らされ、反省心もなく、
まさに鬼神に支配されているのを見た時に、「あなたは今の信仰に何の質問も感じませんか、真に道理
が理解できますか、どんなことが有難いのですか」と問うことが大切です。大方霊魂論で、先祖供養、
霊供養の供養行を言うのでしょうが、それに対して「あなた方は、仏典を曲解していますね、仏教では
業は重視しても、霊魂説は言わないのですよ」と教えてあげましょう。密門会では霊の障りを説かない
から早く病気が治るのですと、事実を言って下さればよいのです。
よしんば入会しなくとも、第一日曜日に参集して貰えばよいのです。
今のところ密教界で、日本の正しい復興を希うのは、密門会の他にあることを知りません。これは、
本山とか、布教師でも得られないことです。まして新興宗教は、上手に信者を迷わし、怖れを抱かしめて、
それを除くと称して集金術を考えるのみです。大きな教団の一部には教学部があっても、根本の信仰が
非仏説に立つのですから、魔の信仰の圏内を出ないので、愛国運動は起こりません。その証拠に、
これまでに教育の中に仏教を入れる運動をした教団も教主もありません。これが出来れば、自分の教え
の嘘が露見するからです。
吾が会員は、ここに目を置くようにならなければなりません。
会員名簿の方は、既に入会された方々ですから、勧誘の対象ではないのです。要はあなた自身が一人
の信者を導くということなのです。私の本をよく読んで下さい。本を読んでも理解できない納得できない
という人は、本部に質ねて下さい。何々県の何々村に近いところに先達さんがあったら紹介して下さい
という方もあります。
会員増加運動は、新興宗教の真似だから悪いとおっしゃる方もありますが、良い点は真似てよいと
思います。仏教とはこういう教えであるということを知らなかった、それを自分は今知ったという喜び
を感じた人が、個々に友人に勧める運動なのです。
本部で行われる月例法話の日や日曜日に遠慮なくお集まりください。こうして理解して入会した会員は、
苦にあっても軽く、大安楽往生されるのです。
何故会員をふやすのか、新興宗教と同じことをやるのかとの疑問に対して、お答えする次第です。